八戸うみねこ紀行 part I
2003年3月15日「八戸うみねこ紀行」1日目。
JR東日本の完全民営化云々ということで、期間限定・2日間12000円でJR東全線乗り放題(新幹線を含む)の「JR東日本パス」なる切符が売られていたので、これを使って何処かに行ってみようと思う。となればまず目が行くのは昨年12月に開業したばかりの東北新幹線・盛岡〜八戸間。この区間を走る「はやて」は全席指定となっていて、指定が取れないことにはどうにも始まらない。幸い1週間程前に辛くも指定を確保できたので、今回は八戸を中心に旅してみることにした。
最寄駅を始発列車で出発し、仙台へ。指定を確保した列車までは約1時間の待ち合わせ時間があったので、駅ビル1Fの「ZUNDA SARYO」(ずんだ茶寮)に入ってみる。仙台銘菓「萩の月」で知られる「菓匠 三全」が経営する茶寮で、ずんだ餅をメインとした各種甘味を供しているもの。色々迷ったが、結局「ぜんざい」と「ずんだプリン」を注文。メニューは全て和のものなのだけれど、内装はカフェそのもので、しかし意外と違和感がない。総ガラス張りの店舗は開放的で、気軽に甘味をいただけるのが嬉しいところ。店を出掛けに思わず「ずんだシェイク」まで買ってしまう<それって食べ過ぎ(笑)
仙台発1038の「はやて・こまち7号」で八戸に向かう。盛岡から北の新線区間はまだ一面の雪景色・・・と言いたいところだが、車窓の殆どを占めるのは灰色の防音壁と漆黒のトンネルばかり。乗車時間も40分程度と短く、これではどうにも物足りない。そうこうしているうちにあっけなく八戸へ到着。真新しいホームを人の波が埋め尽くす様は、ちょっと空恐ろしいものがある。駅のコンコースにも観光案内のワゴンが沢山出ていて、どうみても普通の状態ではない。八戸の観光をPRするにはいい機会なのだろうけれど、単発的なブームよりもまた来て貰えるような魅力をアピール出来ていたのかとその辺が少々心配になる。
八戸駅に隣接した八戸地域地場産業振興センター「ユートリー」へ向かう。八戸の地元産業の紹介に物産即売所、レストランに会議場などが集まった総合施設で、私の目的はと言うと2Fにあるレストラン「ユートリープラザ」。八戸プラザホテルが経営していて、お味のほうはなかなかのもののようで。メニューには八戸の郷土料理「せんべい汁」もあって、これは今回の旅の一番の目的。私なんぞには小麦粉の煎餅を煮込むなんてことは完全に思考の想定外の話で、でもこれが八戸では当たり前のこと。物産即売所にも複数の煎餅店から「おつゆせんべい」という名称で煮込み専用の煎餅が販売されていたりするぐらい。この煮込み専用煎餅を鶏とキノコの出汁で煮込んだものが「せんべい汁」。煮込んだ煎餅はひっつみ、スイトンを思わせるようなつるりとした食感と弾力に加えて、焼餅に似た香ばしさもあって実に美味しい。回りを見ているとどうも注文が「ラーメン」と「いちご煮」に集中していたようだが、この「せんべい汁」を食べずに八戸は語れまいと思う。
「はやて」車内で読んだJR東日本の車内誌「トランヴェール」に野辺地のJazzについての話が出ていたので、ちょっと野辺地まで足を延ばしてみることに。1331発臨時特急「つがる73号」に乗ると、これが旧国鉄色の485系。リクライニングが「倒す」か「倒さない」かの2択しか選べない、俗に言う「バッタンコシート」の座席で、非常に座り心地がよろしくない。ただ臨時列車だけあって、混雑度は少しはマシだったのだけが救いかと。野辺地駅に着き、駅前の書店で「のへじ音頭」JazzヴァージョンVol.2のCDを200円引きで購入。Vol.1も欲しかったのだけれど、もう売り切れてしまった模様。この「のへじ音頭」、毎年開催されている「HOT JAZZ IN NOHEJI」のラストに演奏されるJazzアレンジヴァージョンで、ミュージシャンによって全く違う曲になってしまうのが実にいい感じ。日本の民謡らしさを残しながらも演奏は完全なジャズで、民謡もジャズも好きな私には堪えられない逸品。このCD、特にジャズファンに勧めたいと思う。是非!
「スーパー白鳥24号」で八戸に戻る。この列車はJR北海道の789系で、新型特急電車だけあって鉄道ファンのカメラの砲列もなかなかのもの。デザイン的には最近のJR北海道の主流になっている「スーパー北斗/おおぞら/宗谷」と似た感じで、北海道好きな私としては本州でこのデザインを見られるのはちょっと嬉しい感じ。雪一面の林の中を走っていると、ちょっと北海道へトリップしたような感覚も覚えてみたりする。
八戸線で本八戸に出て、1km程歩いて八戸の中心部へ。予約してあったホテルは程無く見つかり、一泊3000円という激安料金での宿泊となる。地魚の鰯を専門とする「いわし屋」なる店で夕食を摂ったのだけれど、不味くはないものの取り立てて美味しいという程でもなし。酒の品揃えも然程でもなく、「菊駒」「陸奥男山」があったぐらい。その後、「鉞屋」で八戸ラーメンを食すも、これも取り立てて特徴がある訳でもない。これがまぁ昔からの八戸のラーメンだと言われると、そうなのかなとは思うのだけれど。これだったら「八戸ならでは」に拘らずに、地酒を揃えている居酒屋にふらりと寄ったり、新しく出来た八戸屋台村を覗いてみたりした方が楽しかったかな、と思う。今夜はちょっと失敗気分。
JR東日本の完全民営化云々ということで、期間限定・2日間12000円でJR東全線乗り放題(新幹線を含む)の「JR東日本パス」なる切符が売られていたので、これを使って何処かに行ってみようと思う。となればまず目が行くのは昨年12月に開業したばかりの東北新幹線・盛岡〜八戸間。この区間を走る「はやて」は全席指定となっていて、指定が取れないことにはどうにも始まらない。幸い1週間程前に辛くも指定を確保できたので、今回は八戸を中心に旅してみることにした。
最寄駅を始発列車で出発し、仙台へ。指定を確保した列車までは約1時間の待ち合わせ時間があったので、駅ビル1Fの「ZUNDA SARYO」(ずんだ茶寮)に入ってみる。仙台銘菓「萩の月」で知られる「菓匠 三全」が経営する茶寮で、ずんだ餅をメインとした各種甘味を供しているもの。色々迷ったが、結局「ぜんざい」と「ずんだプリン」を注文。メニューは全て和のものなのだけれど、内装はカフェそのもので、しかし意外と違和感がない。総ガラス張りの店舗は開放的で、気軽に甘味をいただけるのが嬉しいところ。店を出掛けに思わず「ずんだシェイク」まで買ってしまう<それって食べ過ぎ(笑)
仙台発1038の「はやて・こまち7号」で八戸に向かう。盛岡から北の新線区間はまだ一面の雪景色・・・と言いたいところだが、車窓の殆どを占めるのは灰色の防音壁と漆黒のトンネルばかり。乗車時間も40分程度と短く、これではどうにも物足りない。そうこうしているうちにあっけなく八戸へ到着。真新しいホームを人の波が埋め尽くす様は、ちょっと空恐ろしいものがある。駅のコンコースにも観光案内のワゴンが沢山出ていて、どうみても普通の状態ではない。八戸の観光をPRするにはいい機会なのだろうけれど、単発的なブームよりもまた来て貰えるような魅力をアピール出来ていたのかとその辺が少々心配になる。
八戸駅に隣接した八戸地域地場産業振興センター「ユートリー」へ向かう。八戸の地元産業の紹介に物産即売所、レストランに会議場などが集まった総合施設で、私の目的はと言うと2Fにあるレストラン「ユートリープラザ」。八戸プラザホテルが経営していて、お味のほうはなかなかのもののようで。メニューには八戸の郷土料理「せんべい汁」もあって、これは今回の旅の一番の目的。私なんぞには小麦粉の煎餅を煮込むなんてことは完全に思考の想定外の話で、でもこれが八戸では当たり前のこと。物産即売所にも複数の煎餅店から「おつゆせんべい」という名称で煮込み専用の煎餅が販売されていたりするぐらい。この煮込み専用煎餅を鶏とキノコの出汁で煮込んだものが「せんべい汁」。煮込んだ煎餅はひっつみ、スイトンを思わせるようなつるりとした食感と弾力に加えて、焼餅に似た香ばしさもあって実に美味しい。回りを見ているとどうも注文が「ラーメン」と「いちご煮」に集中していたようだが、この「せんべい汁」を食べずに八戸は語れまいと思う。
「はやて」車内で読んだJR東日本の車内誌「トランヴェール」に野辺地のJazzについての話が出ていたので、ちょっと野辺地まで足を延ばしてみることに。1331発臨時特急「つがる73号」に乗ると、これが旧国鉄色の485系。リクライニングが「倒す」か「倒さない」かの2択しか選べない、俗に言う「バッタンコシート」の座席で、非常に座り心地がよろしくない。ただ臨時列車だけあって、混雑度は少しはマシだったのだけが救いかと。野辺地駅に着き、駅前の書店で「のへじ音頭」JazzヴァージョンVol.2のCDを200円引きで購入。Vol.1も欲しかったのだけれど、もう売り切れてしまった模様。この「のへじ音頭」、毎年開催されている「HOT JAZZ IN NOHEJI」のラストに演奏されるJazzアレンジヴァージョンで、ミュージシャンによって全く違う曲になってしまうのが実にいい感じ。日本の民謡らしさを残しながらも演奏は完全なジャズで、民謡もジャズも好きな私には堪えられない逸品。このCD、特にジャズファンに勧めたいと思う。是非!
「スーパー白鳥24号」で八戸に戻る。この列車はJR北海道の789系で、新型特急電車だけあって鉄道ファンのカメラの砲列もなかなかのもの。デザイン的には最近のJR北海道の主流になっている「スーパー北斗/おおぞら/宗谷」と似た感じで、北海道好きな私としては本州でこのデザインを見られるのはちょっと嬉しい感じ。雪一面の林の中を走っていると、ちょっと北海道へトリップしたような感覚も覚えてみたりする。
八戸線で本八戸に出て、1km程歩いて八戸の中心部へ。予約してあったホテルは程無く見つかり、一泊3000円という激安料金での宿泊となる。地魚の鰯を専門とする「いわし屋」なる店で夕食を摂ったのだけれど、不味くはないものの取り立てて美味しいという程でもなし。酒の品揃えも然程でもなく、「菊駒」「陸奥男山」があったぐらい。その後、「鉞屋」で八戸ラーメンを食すも、これも取り立てて特徴がある訳でもない。これがまぁ昔からの八戸のラーメンだと言われると、そうなのかなとは思うのだけれど。これだったら「八戸ならでは」に拘らずに、地酒を揃えている居酒屋にふらりと寄ったり、新しく出来た八戸屋台村を覗いてみたりした方が楽しかったかな、と思う。今夜はちょっと失敗気分。
コメント