★札幌を早朝に出て、一気に関西空港に飛ぶ。大阪は生憎の雨。航空機が少々遅れた影響で、予定していた1035発のラピートβ60には乗れず、いきなり予定が崩れる。止む無く1050発空港急行なんば行きに乗車。堺、岸里玉出と乗り換えて南海汐見橋線の津守へ。本日の目的である大阪渡船巡りのスタートに決めた落合上渡船は、この津守駅から少しく歩いた場所にある。

・大阪渡船
http://www.city.osaka.jp/kensetsu/miryoku/tosen/toppage.htm

駅員の若い兄ちゃんに渡船場への道筋を聞くと、適当な方向を指差して「この向こうの浄水場の更に向こうになるんですが」と言う。まこと頼りない案内ではある。兄ちゃんに言われた方向に歩き出したが、どうやら全く違う方向だったらしい。なにわ筋から下水処理場の敷地を抜けると木津川に出て、少し左手に歩くと突然「落合下渡船」津守渡船場が現れる。落合下渡船は2番目の乗車を予定していたのだが、目の前に現れたのでは先に乗ってしまったほうがいい。岸壁間の距離は138mで、エンジンを噴かしたかと思うと、あっという間に対岸の小林渡船場に着岸する。

船を降りてすぐ目の前の道路を右折し、強くなってきた雨の中を傘を差しながら落合上渡船の渡船場に向かう。今度は迷うこともなく、落合上渡船・千島渡船場に到着。着いてみるとまたしても出航直前で、慌てて船に乗り込む。この落合上渡船、運航距離は100mと先程の落合下渡船よりも更に短い。

落合上渡船・津守渡船場より10分程歩くとなにわ筋に出る。北津守4丁目バス停より市バスに乗り、南津守バス停で下車。10分程歩き、千本松大橋の袂にある千本松渡船・津守渡船場に到着。ここでもまた出航直前で、何だか大急ぎばかりである。この付近まで来ると川幅も広くなり、運航距離は230mとなる。

千本松渡船・南恩加島渡船場の最寄バス停である千本松橋西詰に向かい、市バス76系統住之江公園行きに乗車。このバスは先程の渡船の位置に掛けられた千本松大橋を渡って対岸の津守側に渡るのだが、この橋は満潮時桁下33mの高さがあるため、その両端部に急勾配の2重ループが設けられている。車道の脇には歩行者・自転車用の歩道もあるのだが、晴天時無風の健康状態が良い時ならいざ知らず、この歩道を用いて橋を上下し、対岸に渡れというのは酷な話である。千本松大橋が完成した後もこの千本松渡船が現役でいられるのは、こういう理由に依るものらしい。

住之江公園でニュートラムに乗り換え、次の平林で降りる。駅前の道を木津川に向かってひたすら歩くと木津川渡船・平林渡船場に着く。他の7渡船が大阪市建設局の運営なのに対してこの木津川渡船だけは大阪港湾局の運営で、そのせいか昼間の運航間隔が40分近く空く閑散ダイヤなのだが、幸いすぐに出る便があるようだ。天候は回復に向かっており、40分程度なら待合室でぼんやり過ごすというのも悪くない話ではあるのだが。この付近は更に川幅が広く、岸壁間の距離は238mある。

木津川渡船より徒歩15分程で船町渡船・船町渡船場に着く。船着場に向かおうと堤防を越えると、文字通り目の前に対岸が見えている。船町渡船が繋ぐのは木津川運河の両岸なのだが、小規模な運河なので互いの距離が殆ど無いのだ。距離にして75m、小振りな船でも数台繋げればそれだけで対岸に渡れてしまいそうだ。距離が極めて近いため、船は対岸まで直線では進まず、ちょうど半円を描くような感じで運航する。小さな船がくるりと旋回する様は、見ているだけでも実に楽しい。大阪渡船を全部回るのは大変という向きも、この船町渡船だけは一度は訪れて欲しいと思う。

鶴町一丁目バス停よりバスに乗車し、2分程で終点・鶴町四丁目に到着。ここより徒歩5分程で千歳渡船・鶴町渡船場。真新しい千歳大橋を右上に見上げながら、渡船場で暫く船を待つ。今日の渡船巡りで船を待ったのはこれが初めてで、待ち時間を利用してザックカバーを外し、傘を畳んでおくことにする。この千歳渡船は大正内港の出口付近を渡るもので、運航距離371mと8渡船の中では二番目に長く、利用客も多いせいか乗船口も自動扉になっている。

なぜかルパン3世の人形が鎮座していた千歳渡船・北恩加島渡船場を離れ、10分ほど道なりに歩くと新千歳バス停に到着。待つほどもなく108系統なんば行きが来る。このバス、従来はここ新千歳までの運行だったのだが、千歳大橋の開通で、4月から対岸の鶴町四丁目まで延長されることになったばかり。

4分程乗って泉尾四丁目で下車。徒歩5分程度で甚兵衛渡船・泉尾渡船場へ到着。すぐ右手に巨大な尻無川の水門が見える。丁度近くの高校の下校時刻らしく自転車に乗った帰宅途中の高校生が多数いたが、皆無駄なふざけあいなどせず大人しく整列し、乗り降りも機敏である。渡船で一度に運べる人間や自転車の数は然程多くないので、次々にやってくる高校生に対応するために渡船は随時運航状態に入っている。ここの岸壁間距離も短く、僅か94mであった。

大阪渡船にはもう1つ、安治川を渡る天保山渡船(岸壁間400m)があるが、これには以前乗車済みなので今回は見送ることにする。福崎渡船場から正面に向かうと、JR貨物の臨港線の単線の線路を横切る。ここを左手に向かうと浪速貨物駅なのだが、最近は貨物列車の運転も余り無く、少々寂れているらしい。更に進むとバス通りに出て、福崎1丁目バス停が目の前に現れる。弁天町行きのバスに乗り、終点でなんば行きに乗り換える。乗り換えたバスに他の客は居ない。

安治川トンネル前バス停で下車。すぐ目の前に川底人道随道・安治川トンネルの入口がある。このトンネルも7渡船と同じく大阪市建設局の管理で、出来た頃は向かって右側の巨大な車両用エレベータも稼動していたそうだが、今は歩行者・自転車用のエレベータが稼動するのみ。エレベータは建設局の職員が操作するので、夏季(5/1〜10/31)は6:00〜23:00、冬季は6:00〜22:00までと運転時間が決まっているのだが、エレベータ脇にある階段を使えば24時間通行可能である。対岸に渡ると、思わぬ近さにJR大阪環状線・西九条駅があって少々驚く。

再び安治川トンネルを戻り、地下鉄中央線・九条駅からなんばに出て、法善寺横町の近くにあるクレープ・ガレット専門店「クレープリー・アルション」へ。小さいながらも洒落た雰囲気の店で、1Fが厨房、2Fと3Fが客席となっている。夜はコースメニューが主で、スープ、ガレット、クレープ、食後のお茶がセットになった2000円のコースを頼む。それぞれメニューの中から好みのものを選ぶことが出来るプリフィックススタイルで、せっかくの春なのだから春らしい組合せがいいかと思い、選んだのはスープが「アスパラガスのポタージュ」、ガレットは4月限定「アーティチョークのトマト煮と生ハムのガレット」、クレープはこれまた4月限定「いちごと木苺、ブルーベリーの”3種のベリーのクレープ”」で、お茶はウバを。軽いお酒としてシードルの辛口を頼むと、シードルボウルで供してくれる。アスパラガスのスープも良かったが、ガレットの出来が素晴らしく、特にアーティチョークとの取り合わせはなかなかのもの。クレープもその言葉の意味通り「縮緬のような」出来で素晴らしい。ただ、このクレープの持ち味を堪能するには、砂糖のみでシンプルに食べるメニュー「シュクレ」の方が良かったかも。かなり満足度の高い店ではあるのだが、店員に(余り上手くも無い)フランス語を無闇に連発されるとこちらの方が気恥ずかしく、その辺が少々難点かと思う。

[Photo]
http://homepage.mac.com/hyperdream/PhotoAlbum5.html

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